【おもしろ韓国語講座 #004】 구라쟁이(ウソつき)
2005年 12月 14日
他にも、社会科学や自然科学の分野でも、日本語に由来したことばは意外なほどたくさんあります。また、거래선(ゴレソン[去來先]:取引先)は韓国式では거래처(ゴレチョ[去來處])、대합실(デハプシル[待合室]:待合室)は韓国式では대기실(デギシル[待機室])で、こうした日本式の表現まで含めると、その数がどれくらいなのか、まったく見当がつきません。
日本人が聞いても、それがすぐには日本語に語源があるとはわからないものも少なくありません。その代表的なものが구라쟁이(グラジェンイ:ウソつき)です。쟁이(ジェンイ)というのは「一部名詞の後につき、それを表す属性を多く持った人を表す接尾辞」です。例えば、거짓말(ゴジンマル: ウソ)+쟁이で「ウソつき」、겁(ゴプ:恐怖)+쟁이で「弱虫」といった具合です。
구라쟁이もやはり、구라(グラ:ウソ)+쟁이で、거짓말쟁이と同じく「ウソつき」という意味になるのですが、この구라の語源が、実は日本語の「眩ます」だというのです。「目を眩ます」「姿を眩ます」などとよく言いますが、「隠す」「ごまかす」という日本語の「眩ます」の意味がそのまま反映されているんですね。ですから、구라쟁이の구라は「眩ます」の「眩」ということになります。
教科書的には거짓말쟁이が「ウソつき」として好んで使われますが、最近の韓国人はむしろ「구라쟁이」のほうをよく使っているようです。意外なところで日本語を発見したわけですが、それにしても、いったい誰がこんな造語を考え出したんでしょうね。