【おもしろ韓国語講座 #011】 짱개(中華料理店)
2005年 12月 21日
日本の中華料理店も、本場中国の料理とは異なる日本式にアレンジされた料理が大部分ですが、韓国の中華料理店もやはり韓国人の味覚に合わせた韓国式中華を提供する店がほとんどです。なかでも짜장면(チャジャンミョン:ジャージャー麺)は韓国人が大好きな料理のひとつで、外国から帰ってきてまず食べたい料理が짜장면だという人も少なくありません。
さて、この중국집ですが、実際に韓国に住んでみると、むしろ別の呼び方がよく使われることに気づきます。짱개(チャンケ)、または짱개집(チャンケチプ)がそれです。ことばの由来はいろいろな諸説があるようですが、僕が最初に聞いたのは、あの蒋介石の韓国語読み장개석(チャンゲソク)が語源だというもの。韓国華僑が蒋介石の名前を連呼していたのを、韓国人がからかって짱개と呼び始めたというのです。
これよりもう少しアカデミックな説は、짱개の語源が中国語で「店の主人」を意味する掌柜(ジャングイ)であるというもの。華僑が経営する中華料理店の店員が主人を「ジャングイ、ジャングイ」と呼んだから、いつの間にか中華料理店のことを짱개と呼ぶようになったとか。たしかに、チャンケとジャングイって、どことなく発音が似ていますね。最近はさらに짜장면そのものを意味することもあり、「짱개 먹으러 가자(ジャンケ モグロ カジャ:ジャージャー麺食いに行こうぜ)」という意味でも使われることがあります。
気をつけなければいけないのは、この짱개という表現が、中華料理のことを肯定的に言い表したことばではないということです。どちらかというと、中国人を卑下した言い方で、華僑はもちろん、韓国語のわかる中国人、それに中華料理店を営む人たちも、このことばを好みません。このことばは、むしろ聞いて意味がわかる程度で満足し、できるだけ중국집を使うことをお勧めします。