【おもしろ韓国語講座 #043】 빨갱이(共産主義者)
2006年 06月 28日
政治の世界は、たいてい保守派と革新派に分けられていますが、日本と同じように、韓国でも保守派を우파(ウパ[右派])、革新派を좌파(ジャパ[左派])と呼んでいます。韓国では、우파は一般的に친미반공(チンミバンゴン[親美反共]:親米反共)、좌파は친북반미([親北反美]:親北反米)で、좌파の노무현(ノムヒョン[盧武鉉])さんが大統領に就任してから、左右の理念的対立はかなり激しくなりました。
もう何十年も前になりますが、朝鮮半島では同じ民族同士が血で血を洗う、凄まじい戦争が起こりました。いわゆる한국전쟁(ハングッジョンジェン[韓国戦争]:朝鮮戦争)というやつですね。この内戦のあおりで、多くの人たちが親兄弟を失くしたり、肉親と離れ離れになってしまいました。特に後者は이산가족(イサンカジョク[離散家族])と呼ばれ、今なお韓国の大きな社会問題となっています。
そんなわけで、年配の人たちを中心に、北朝鮮や共産国家に対する憎しみを今なお持っている人が少なくありません。彼らは北朝鮮寄りの態度をとる人たちを、軽蔑と敵対の意味を込めて빨갱이(パルゲンイ:アカ、共産主義者)と呼びます。語源はよくわかりませんが、共産主義のイメージカラー(?)の빨갛다(パルガッタ:赤い)から来ていると思われます。最近では、激しいデモを繰り広げる労働組合の構成員に対しても、侮蔑的に빨갱이という言葉を用いるケースをよく目にします。
最近は、南北分断を素材にした映画やドラマ、小説などが脚光を浴びていますが、その中に、この빨갱이ということばがよく登場します。
もちろん、生半可な知識だけで他国の宗教や政治に干渉しないというのは、異文化交流のイロハのようなものですから、今日の表現は、ただ知っておくだけにしておいてくださいね!