【おもしろ韓国語講座 #021】 가부시키(割り勘)
2006年 01月 10日
韓国で割り勘のことをふつう더치페이(ドチペイ)と言います。英語で割り勘を指す「Dutch Pay」ですね。こんなことばが作られるほどですから、オランダ人はヨーロッパで堅実な人たち、あるいはけちん坊と思われているのでしょうかね。
ところが、若い人はあまり使いませんが、会社の人たちと食事に行くと、中年の部課長さんが「자,우리 가부시키 하자(ジャー、ウリ カブシキ ハジャ:さぁ、割り勘しようぜ)」と言うのをよく耳にします。はて、가부시키(カブシキ)……。株式?そうです。日本語の「カブシキ」という単語が、ここ韓国ではなぜか「割り勘」という意味で使われているのです。株の配当に由来するんでしょうか、とにもかくにも、「カブシキ」は中高年のオジサンたちのあいだでは、더치페이に劣らずよく使われています。
年々物価が上昇する韓国では、若い人を中心に次第に割り勘文化が浸透してきています。しかし仲のいい友だち同士で飲みに行ったり、先輩が後輩を、上司が部下を連れてのみに行ったりすれば、今なお「오늘은 내가 쏠께!(オヌルン ネガ ソルッケ:今日はオレの奢りだ!)」といった威勢のいい声が聞こえてきます。쏘다(ソダ)はふつう「撃つ」という意味ですが、これがいつからか「奢る」という意味で使われるようになりました。また同じく「奢る」とう意味で한떡 내다(ハンドック ネダ)というのがあります。
さて、いつも奢ってくれる人といっしょなら、これほど楽なことはありませんが、あまりに奢ってもらってばかりいると、後で「걔는 짠돌이야(ゲヌン チャンドゥリヤ:アイツはケチだぜ)」などと陰口を叩かれるので要注意。ちなみに짠돌이(チャンドゥリ)とは「ケチ」のこと。同じ意味で구두쇠(クドゥセ)というのもあります。
「낼 때에는 확실히 낸다(ネルッテエヌン ファクシリ ネンダ:出すときにはキチンと出す)」。これ、お忘れなく!