在韓駐在員の現地リポート


by nazdravie
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事実は小説よりも奇なり 1

「事実は小説よりも奇なり」

なんて言葉をたまに聞きますが、先週あたりから、ここ韓国では「小説のような」事件がテレビや新聞紙上を賑わせています。簡単に言えば、飲み屋で殴られた息子の仕返しを、親が自ら買って出た、ということです。これだけだったら、「そんなことが何で、ニュースになるの?」と思うかもしれませんが、実はこの事件の登場人物やストーリーの展開が、文字どおり「小説のような」設定だからです。

まず、登場人物を見てみると、

○父親:韓国の大財閥・韓火(ハンファ)グループのキム・スンヨン会長。
○息子:キム会長の次男で、エール大学在学中のキム・ドンウォン。
○飲み屋の喧嘩相手:ナイトクラブの専務、ユン某。
○ナイトクラブ関係者:ユン某が勤めるナイトクラブの社長、幹部、従業員。
○友人A:キム・ドンウォンの友だち。米国留学から一時帰国中。
○用心棒:キム会長の会社のボディーガードたち。

そして場所。

○シーン1:ソウルの金持ちが集まる街・清潭洞のカラオケバー
○シーン2:ソウル郊外の清渓山にある工事中の建物
○シーン3:ソウル有数の歓楽街・北倉洞のナイトクラブ

【シーン1】
友人Aと清潭洞のカラオケバー(日本でいうキャバクラみたいなところ)に遊びに来ていた息子が、「何ジロジロ見てんだよ!」と因縁をつけられ殴られたことから、この物語は始まります。息子は殴られた勢いで転倒し、結果として目の上を10針も縫う怪我をしてしまいます。息子はユン某に「オレが誰かわかってんのかよ!」と怒鳴りましたが、ユン某は「知るかよ」と無視してその場を立ち去りました。

自宅に戻った息子の怪我を見た父親は、びっくりしてその理由を糾しました。事の顛末を知った父親は激怒、すぐに会社のボディーガードたちを引きつれ、数台の高級車で問題のカラオケバーに向かいます。父親はバーの従業員に「息子を殴った奴を連れて来い!」と指示、ユン某が勤めるナイトクラブの従業員数名がバーにやってきました。父親はボディーガードに指示をし、連中をソウル郊外の清渓山に連れて行きました。

【シーン2】
清渓山に到着した一行は、工事中の建物の中にナイトクラブの従業員らを連れ込み、そこで彼らに暴行を加えます。被害者の証言によると、このとき父親が直接鉄パイプを握って殴りまくったとのこと。しかし、息子を殴った人物、つまりユン某がいないとわかった父親は、清渓山を後にし、ユン某の勤める北倉洞のナイトクラブに向かいます。

【シーン3】
ナイトクラブに到着した父親およびボディーガードらは、クラブのルームに押し入りユン某を呼び出しました。ここ北倉洞は、父親がオーナーの韓火グループ本社や、グループが経営するプラザホテルが近くにあるなど、完全に父親の「縄張り」。韓火のオーナー直々の乱入に、クラブの関係者はただただ謝るだけ。父親はユン某に「お前は息子の目を殴ったのだから、お前も目を殴られるべきだ」と言い、息子にユン某に仕返しするよう指示をしました。

ひととおりの仕返しがすむと、父親はウィスキーを一瓶持ってこさせ、爆弾酒(ウィスキーとビールを混ぜたもの)を作り、ユン某をはじめクラブの従業員に渡し、「これで仲直りだ。この件はなかったことにしよう」と言い、100万ウォンをポンと置いて帰っていきました。

韓火グループに目をつけられると、北倉洞でのビジネスがパァになってしまうことを恐れたクラブ側は、この件を警察に通報することもできず、事件は父親のことばどおり「お蔵入り」になるかと思われました。が、この件を内定していた警察の情報が、マスコミを通じて公になり、事件は一気に韓国全土が注目する一大スキャンダルに発展してしまいました。

-次回に続く-

註:上記はあくまで、現在までの状況をマスコミ報道をもとに整理したものです。現在進行中の事件なので、事実関係は警察発表や報道資料でご確認ください☆

事実は小説よりも奇なり 2
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by nazdravie | 2007-05-02 23:00 | いろいろ