在韓駐在員の現地リポート


by nazdravie
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【韓国映画演劇鑑賞記 #001】 「王の男」

f0008573_23483186.jpg女にうつつを抜かし、意に沿わない家臣を粛清するなど横暴のかぎりを尽くし、果てはクーデターにより失脚し王位を廃位された燕山君は、朝鮮王朝でも類を見ない暴君として韓国の歴史に刻まれています。今回観た「王の男(原題:왕의 남자)」は、そんな暴君・燕山君の知られざる一面を、「燕山君日記」にもたった一行しか登場しない広大(グァンデ:綱渡りや仮面劇などをする大道芸人)にスポットを当てながら描いた映画です。

時代もののドラマや映画は、その国の歴史を知るのに格好の材料となります。私も「帝国の朝」や「武人時代」、それに「不滅の李舜臣」といった歴史ドラマを見て韓国の歴史を身近に感じるようになりました。この燕山君は、日本人にとってはあまり馴染みのない王かも知れませんが、大ヒットしたドラマ「宮廷女官チャングムの誓い(原題:大長今)」の主人公・チャングムは、燕山君の生母殺害に関与した疑いで誅殺された武官の娘、という設定になっています。

「王の男」では、暴君・燕山君の違った一面をクローズアップする重要な場面で、この生母殺害のエピソードが登場します。暴虐の限りを尽くした燕山君の、母に対する思い、絶対的な権力を握った王としての孤独感……。歴史ではほとんど語られることのない、燕山君の人間的な一面を垣間見ることができます。

全体としては、ふたりの広大を中心にストーリーが進んでいきますが、やはり人間・燕山君を描いているのが、この映画の大きな特徴だと思います。また、ストーリーだけでなく、スクリーンに映し出される朝鮮時代の風景、広大が繰り広げる綱渡りや人形劇のパフォーマンスなど、映像としての見所もたくさんあります。

俳優の演技力もなかなかのもので、主人公の広大・ジャンセン(カム・ウソン)や燕山君(チョン・ジニョン)の迫真の演技は一見の価値ありです。それに何といっても、ジャンセンのパートナーで女役を務めるゴンギル(イ・ジュンギ)!役柄だけでなく、役者そのものも本当に女のような雰囲気を醸し出していて圧巻でした。

昨年末に公開されましたが、すでに大ヒットしており、観客動員の記録なども塗り替える勢いです。この調子でいけば、日本での公開もいずれあるのではないかと思います。いわゆる「韓流スター」といわれる俳優さんたちは登場しませんが、ストーリーも配役も、そしてビジュアルも非常にレベルの高い、なかなか見ごたえのある映画でした。

公開:2005年12月
監督:イ・ジュニク
出演:カム・ウソク、チャン・ジニョン、カン・ソンヨン、イ・ジュンギ 他

オフィシャルサイト(韓国語)
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by nazdravie | 2006-01-27 23:49 | 韓国映画演劇鑑賞記