事実は小説よりも奇なり 4
2007年 05月 09日
とはいえ、今回の事件。次から次へと新しい情報が出てきています。
今回の登場人物
○父親:韓国の大財閥・韓火(ハンファ)グループのキム・スンヨン会長。
○土建会社の関係者:ハンファの取引先土建会社の社長と社員。
○オ某:韓国3大暴力団、S派の幹部級組員。
○ボディーガード:父親(ハンファグループのオーナー)の警護員。秘書室所属(複数)。
○ハンファ社員:ボディーガードといっしょに暴行現場にいたとされる社員(単複不明)。
今回からは、場所が複雑に絡み合ってくるので、シーン設定はしません。
清潭洞のカラオケバーや北倉洞のナイトクラブからは、結局これといった物証を見つけられなかった警察。こんな迷走に業を煮やした警察庁が、南大門警察署の監査に乗り出しました。署内では「事件処理後に、誰のクビが飛ぶのか、というのが専らの関心事」、「捜査中に監査などされてはたまらない」と、捜査本部は空中分解寸前といった感じ。2年前に論峴洞のカラオケバーであった暴行事件に本庁が乗り出すことについて、南大門警察署長は「勝手にやればいい。俺たちには関係ない」とふて腐れる始末。さらに、署内で事件の隠蔽が図られたことを示す文書まで見つかり、まさに「泣きっ面に蜂」状態。
警察の捜査が遅々として進まない中、マスコミでは連日新たな事実や疑惑が報じられています。その中でも衝撃的だったのは、噂にはなってましたが「まさか」と思われていた、暴力団関与説。今回の件につき、単に大財閥のオーナーが口止めをしただけで、事件がうやむやになるのか?という疑問が提起されてきましたが、やはりその裏には黒い影が存在していた、というわけです。この暴力団幹部・オ某は、ふたつ目の現場、清渓山の暴行現場から姿を現していて、最後の北倉洞のユン某が勤務するナイトクラブでは、「手打ち」の現場にも同席していました。そして、その数日後、再びこのナイトクラブを訪れ、改めて口止めをしていました。
被害者が泣き寝入りをするのには、やはりそれなりの理由があったわけです。
そして、今回の舞台となった3ヶ所(清潭洞のカラオケバー、北倉洞のナイトクラブ、清渓山の工事中の建物)には、いずれも父親の会社の取引先(土建会社)の社長以下7名の職員が同行していた事実は明らかになりました。彼らはこの事件への関与を否定していますが、警察がおこなった通話記録の調査で、当日その現場にいたことが裏付けられました。
さて、この通話記録。今回の事件を解明するうえで、かなり重要な意味を持ってくるわけですが、分析の結果、事件への関与を否定していたボディーガードを含めたハンファ社員、そして息子キム・ドンウォンも、当日これらの現場で通話をしていたことがわかりました。
度重なる警察のミスに助けられながらも、父親の外堀はだんだんと埋められつつあります。
-次回に続く-
註:上記はあくまで、現在までの状況をマスコミ報道をもとに整理したものです。現在進行中の事件なので、事実関係は警察発表や報道資料でご確認ください☆
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