在韓駐在員の現地リポート


by nazdravie
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輝け!キムチボール

NFLは、ピッツバーグ・スティーラーズの優勝で幕を下ろしましたが、MVPに韓国系のハインズ・ウォードが受賞したことで、ここ韓国もスティーラーズの地元・ピッツバーグに負けず劣らずの興奮ぶりで、マスコミも「(混血・母子家庭で育ったウォードの)人間勝利」「韓国人の優秀性を全米に知らしめた」などと大々的に報道しています(捉え方が民族主義的ではありますが……)。

そんななか、異色の記事が朝鮮日報に載っていたので、こちらを紹介することにします。韓国ほどではないにせよ、日本も野球その他のスポーツと比べれば、アメフトもまだまだ人気スポーツと言うには及びません。日本人も韓国人も、ともすればアメリカで一番人気のあるスポーツはMLB(野球)かMBA(バスケ)と思いがちですが、アメリカ人に聞いてみると、意外やNFLがもっとも人気のあるスポーツだということがわかります。

絶対的な競技人口が少ないこと、アメフトの歴史が短いこと、などいろいろなハンディキャップはありますが、ひとつ参考になると思うのがアイスホッケーの事例です。最近アイスホッケーに関心があって、いろいろ調べたりもしているのですが、東アジアでは近年「アジアリーグ」が発足し、日中韓の国内リーグが統合してひとつのリーグを形成、それぞれに切磋琢磨しながら人気・実力の向上を目指しています。

私もアメフトはアイスホッケー以上に門外漢ですが、上記の記事を読む限りでは、韓国のアメフト事情は非常にお寒い限りのようです。日本でもメジャーではないとはいえ、ライスボールなどは多くの人が知っている有名なスポーツイベントです。そういう意味で、日韓のアメフトの実力差はかなりあると想像するわけですが、やはりアイスホッケーのように、まずは少数精鋭でレベルアップをめざし、隣国と同一リーグを形成しながら人気の底上げをし、新しい選手を発掘して裾野を広げていく、というのが、韓国のアメフト発展のひとつのヒントになるのではないでしょうか。まだちょっと非現実的かな?

実際、アジアリーグ発足以来、常に下位に甘んじていた韓国のアニャン・ハルラは、今年レギュラーシーズンで見事2位になり、堂々とプレーオフ進出を果たしました。アメフトも、アイスホッケーのハルラ建設のようにチームを長い目で育ててくれるスポンサーを得て、選手たちがアメフトに集中できる環境を作ってやることが急がれます。そういう意味で、KNFLの発足は、韓国アメフト界にとって、とても意義あることだと思いますし、韓国系のウォードがMVPを獲ったというのも、ひとつのよいきっかけになるのではないかと期待します。

蛇足ですが、記事のタイトルは韻を踏んで「アメリカには『スーパーボール』、韓国には『キムチボール』」としたほうがよかったような……。

---記事和訳---

アメリカには「NFL」、韓国には「キムチボール」

NFL(全米プロフットボールリーグ)は、アメリカ人なら誰もが好きな人気スポーツだ。一方、KNFL(韓国アメリカンフットボールリーグ)は、その存在すらほとんどの人が知らない。

韓国にもアメフトはある。大邱・慶北、釜山、それにソウル地域を中心に、35の大学にアメフト部がある。社会人リーグは8チームある。大学と社会人リーグを合わせれば、選手数は1,000名ほどになる。大学チャンピオンと社会人リーグチャンピオンが対決するチャンピオン戦「キムチボール」も、今年までに11回もおこなわれてきた。人気はないが、熱気ムンムンだ。

チームもあり、大会もあるが、レベルは「同好会」だ。なぜか?国内の小中高にはアメフトチームがひとつもない。大学に入ってやっとサークル活動でアメフトに接することができる。社会人リーグも2004年までは大学時代に選手として活動した一般人がすべてのクラブを支えた。大学と社会人リーグの選手は、休日を利用してトレーニングし、そしてゲームをおこなう。装備はほとんどが自己負担だ。大学の装備は先輩が使った装備をお古で譲り受けるのがふつうだ。

協会は昨年はじめて大会経費と装備をスポンサーから後援してもらうセミ実業リーグであるKNFLを旗揚げした。社会人リーグを縮小・統合して「少数精鋭化」するのが目標だ。

大韓アメフト協会のパク・ギョンギュ会長は「大韓体育会の加盟団体になりたくても、何しろ加盟条件が厳しく、門前払いを受けているのが現状」といい、「ウォードの活躍が、国内にアメフト人気を呼ぶよい機会となってくれれば」と話した。(朝鮮日報 2006-02-08)

記事原文:朝鮮日報(韓国語)

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by nazdravie | 2006-02-09 00:11 | いろいろ