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在韓駐在員の現地リポート


by nazdravie
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【おもしろ韓国語講座 #019】 시다바리(パシリ)

映画「친구(チング:邦題は“友よ”)」での「내는 니 시다바리가?(ネヌン ニ シダバリガ:オレはお前のパシリか!?)」という台詞でイッキに流行ったこの시다바리(シダバリ)ということば。釜山地方でよく使われるスラングだったのですが、今では韓国のどこにいっても通じる「全国語」となってしまいました。

시다바리とは、日本語でいえば「パシリ」。人に言われるがまま行動する人のことをいいます。ソウルことばで「난 네 시디바리니?(ナン ネ シダバリニ:オレはお前のパシリか!?)と言う人もたくさんいますが、やはり上にあるように釜山なまりで、フレーズをそのまんま使うのが一番しっくりくるようです。

上下関係の厳しい韓国では、特に軍隊で시다바리の経験を持つ人が少なくありません。先輩兵士に「야,너 내가 시키는 대로 해(ヤ ノ ネガ シキヌンデロ ヘ:おい、オレのいうとおりにしろ!)」と言われれば、下っ端兵士はそれに従うしかありません。一気飲みをしろと言われれば顔を赤くしながらコップを飲み干し、運動場を10周走って来いと言われればあごを上にあげて必死に走る……。そんな経験をした人もけっこういるんじゃないでしょうか?

でも何といっても、こうした関係が一番厳格なのは、やはり깡패(カンペ:ヤクザ)の世界でしょう。형님(ヒョンニム:兄貴)が右を向けと言えば右を向き、左を向けと言えば左を向くのがこの世界。「友よ」に限らず、実際テレビドラマや映画でも、ヤクザたちがこのことばをよく使っているようです。

ちなみに、この시다바리の語源は日本語だとか。「下働き」という単語が変形して「シダバリ」になったというものや、「下」と「張り」の合成語だとか、いろんな説がありますが、いずれにしても、こんなところにまで日本語とのかかわりがあるんだと、ちょっと驚いてしまいますね。

そういえば、昨年は政界の誰かさんが自称「偉大なるイエスマン」などと豪語していましたが、これを釜山風に言い換えれば、まさに彼は「偉大なる시다바리」。人生いろいろ、시다바리もいろいろ……。
by nazdravie | 2006-01-07 00:14 | おもしろ韓国語講座