【おもしろ韓国語講座 #020】 짭새(ポリ公)
2006年 01月 08日
韓国でも事情は同じですが、日本と少し違うのは、学生運動や労働運動に身を投じている人たちが、警官と水と油の関係だという点です。日本のデモは道路の隅っこを警官の先導を受けてシュプレヒコールをしながら歩く、といったごく平和なものですが、韓国のそれは警官と道路を間に挟んでにらみ合い、場合によっては催涙ガスや火炎瓶が飛び交うという激しいものです。ちょうど日本の60年代、日米安保条約をめぐる騒動を連想させる光景です。
そんなわけで、韓国では市民の味方・警官と市民が対立することが日常茶飯事です。先日、香港でおこなわれたWTO会議で韓国の農民が過激な暴動を引き起こし、香港の人びとを驚かせましたが、韓国の人たちに言わせれば、「あ、外国でもやってるな」といったところ。とにかく韓国のデモの過激さは群を抜いています。
そんな彼らが警官に向かっていう蔑称が「짭새(チャプセ:ポリ公)」です。警察のシンボルである독수리(ドクスリ:鷲)を、잡새(ジャプセ:すずめ)だと皮肉ったのがはじまりで、語頭の音が強くなって「짭새(チャプセ)」になったというように言われています。韓国語で「捕まえる」を「잡다(ジャプタ)」というのですが、この잡다の잡と잡새の잡をひっかけたことも、警官を짭새と呼ぶひとつのきっかけとなったのでしょう。
道路に路注して向かいのコンビニに向かう若者がふたり。車を止めていざ信号を渡るというとき、そのうちのひとりが声を上げました。「야, 짭새가 떴다. 안 되겠다. 가지 말자(ヤ、チャプセガトッタ。アンテゲッタ。カジ マルジャ:おい、ポリ公がきたぞ。やばいぜ。やめとこうぜ)」。
ただし、これは俗語なので、くれぐれもホンモノの警官の前でこのようなことを言わないように注意しましょう。