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在韓駐在員の現地リポート


by nazdravie
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【おもしろ韓国語講座 #022】 닭대가리(大バカヤロウ)

韓国語は욕(ヨク:悪口)のバリエーションがとても豊富な言語です。これが誉められたものかどうかはさておき、会話をより躍動的にしているのは確かです。中には、병신(ビョンシン[病身])や지랄(ジラル:癲癇)といった、差別用語が悪口に転用されたヒドいものもありますが、ほとんどは笑って聞き過ごすことのできるものです。

「頭が悪い」、転じて「馬鹿」を意味することばは、韓国語の中には数多くあります。代表的なものは바보(バボ:馬鹿)ですが、それと同じくらいよく使われるものに닭대가리(ダッデガリ)というのがあります。닭대가리を分解してみると、닭(ダッ:鶏)+대가리(デガリ:頭)となります。なぜ닭대가리が馬鹿の意味で使われるようになったのか、その語源は定かではありませんが、記憶力の悪い鳥類の中でも、鶏は特にそうだからというのが定説のようです。

これに類するものとして、돌대가리(ドルデガリ)や쇄대가리(セデガリ)といったものがあります。これらも돌(ドル:石)+대가리(デガリ:頭)、쇄(セ:鉄)+대가리(デガリ:頭)の合成語で、頭が固い=馬鹿、という公式(?)からできあがったものと思われます。

もちろん、바보も決して言われて気分のよいことばではありませんが、それでも冗談として気軽に使える、とても軽いニュアンスを持っている反面、닭대가리およびその同類後は、親しい間柄で明らかに冗談だとわかるシチュエーションでなければ、言った瞬間、一速触発の緊迫した場面が間違いなくやってきます。もちろん、それをわかって、わざと怒らすために意図的にこれらのことばを使う人も少なくありません。

こうした悪口は、これまでの「おもしろ韓国語講座」でも何度か言及していますが、あくまで「聞いてわかる」程度で満足すべきでしょう。「それなら、最初からそんなことばを紹介しなきゃいいのに」という指摘も聞こえてきそうですが、韓国語学習者や韓国映画・ドラマが好きな人の中には、原語で意味を理解したいという方も多いと思います。そんな人には、こうした욕の意味を理解するのは、決して無駄ではないと思います。

もし使いたいのであれば、自分が何か失敗したときに「아, 난 진짜 닭대가리인가 봐(アー、ナン チンッチャ ダッデガリインガバ:あぁ、オレってホント馬鹿だよな)」というように、自虐的に使ってみてください。それを聞いた韓国人は、「야, 그러지마. 그런 말 어떻게 배웠어?(ヤ、クロジマ。クロンマル オットッケ ペウォッソ?:おいおい、そんなこと言うなよ。どこで覚えたの?)」と、笑いながら答えてくれるはずです。
by nazdravie | 2006-01-26 23:19 | おもしろ韓国語講座